前回の記事の続きです。
私はインドという大国での一人旅の中で、「パンケーキ女子になろう✨」と試みた。
しかし、バラナシでの初戦は惨敗。とてもパンケーキ女子になったとは言えない無残な結果になった…。
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ただ、前回の敗戦は、バラナシという、インド人をも恐れる強烈な場所で実施したことが起因しているのではないかと考えた。異なる場所であれば、きっと素敵なパンケーキに巡り合えるんじゃないかと思ったのだ。
私は、全インド人がうらやむスイーツ女子になるべく、場所を変えて再挑戦を挑むことにした。
その場所は…アグラ。
アグラ(アグーラともいう)は、インドが誇る、かの有名な世界遺産「タージ・マハル」がある都市で、国中のインド人だけでなく世界中の観光客で連日賑わうところだ。
タージ・マハル周辺はなかなか整備が行き届いており、まともな飲食店も多々存在する。
これは…パンケーキも期待できるのでは…?
前回のバラナシ編での屈辱を晴らし、このスパイス大国インドで、キラキラなパンケーキ女子になる夢が叶うのではないか…?
思い立ったが吉日。さっそくアグラへ向かうことにした。
デリーからタクシーで何時間か揺られ、アグラへ到着。ここへ来たからにはタージ・マハルを訪れないわけにはいかないので、強い日差しの中、まずタージ観光を満喫することにした。
さすがはインド最大の世界遺産である。
圧巻というほかない。
入場料750ルピーは少し高いと感じたが(しかもインド人と外国人で料金が随分違う)訪れる価値のあるところだった。
観光を終え、本題のパンケーキ作戦を始めることにした。
タージ・マハルから歩いて10分くらいの場所に、Saniya Palaceというホテルがある。そこに併設されているカフェレストランを発見。テラスからタージ・マハルを眺めることのできる、景色抜群のレストランである。
トリップアドバイザーでの評価もなかなか高く、ここなら素敵なパンケーキが期待できると思い、試合会場はこのSaniya Palaceに決定した。
テラス席に通されると、素晴らしい絶景が広がっていた。タージ・マハルを優雅に一望できる、なんとも贅沢な空間である。
最前列は欧米人に占領されていたが、まあ仕方がない。
さっそくパンケーキを頼むとしよう。
渡されたメニューを見ると、パンケーキと書かれた下に色々な種類のパンケーキの名前が並んでいた。
悩んだ末、今回は「ハニ―レモンパンケーキ」と「チョコレートパンケーキ」を注文。今度こそはと胸を高鳴らせ、どんなパンケーキがでてくるだろうと想像を巡らせる。
きっとこんなキラキラなパンケーキが…♡
Food写真Valeria_aksakova - Freepik.comによるデザイン
こんなお洒落なパンケーキが…♡
こんな…パンケーキ…が………(?)
こんな……パン…ケーキ…………?!?!
え……???
まさかの想像を絶する結果となった。
確かにチョコレートソースはトッピングされているし、はちみつも申し訳程度にはかけられていて、レモンも添えられてる。
しかし、これのどこがパンで、どこがケーキなのか??(汗)
…私は膝から崩れ落ちた。
アグラからリベンジマッチを挑んだものの、この勝負、私の完敗である。
日本の女子が熱中するパンケーキは、インドでは全くもってお洒落アイテムではなかった。ただの薄っぺらい小麦粉の生地だったのだ。
ここには「パンケーキ女子」という概念がなく、今後それが生まれる希望も見出せなかった。私のようなひきこもりが、この巨大なカレー大国に「パンケーキ女子」という日本文化を生み出すことなどできるはずがなかったのだ。
非常に悔しい気持ちでいっぱいだが、これで私の挑戦は終わりを迎えた。 インドでキラキラなパンケーキ女子になることはできなかった。
でも、いつかまたインドに一人旅をすることがあれば、その時にはもっと力をつけて、「インドで初めてパンケーキ女子になったひきこもりの旅人」として名を轟かせようと心に決めた。
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